読みものcolumn

家事問屋「あみとザル」。種類のはなし

毎日の台所仕事。下ごしらえ、調理につかう『あみとザル』は一日に何度となく使う道具のひとつ。野菜の水切り用のザル、出汁をとるためのあみ、食材を濾すためのこし器…。

同じあみやザルでも、用途に合わせて求めるかたちや種類も異なります。

しかし、何気なく毎日使っている道具だけに、知っているようで意外と知らないもの。

家事問屋では、ステンレス製の『あみとザル』は30製品以上。同じステンレスの素材でも、編み方だったり、目の細かさだったり、一つひとつ、使う用途によって、種類はさまざま。

この読みものでは『あみとザル』の種類についてちょっと深掘り。

使い手のみなさんが使いやすく、そして選びやすい。そんなきっかけづくりの参考にしていただければと思っています。

一般網(平織り)

使いやすさならメッシュタイプ

『あみとザル』といえば、金属製のあみでできているメッシュタイプを想像するのではないでしょうか。家事問屋ではメッシュタイプの『ザル』を「一般網」と位置付けて、使用する用途に合わせて展開しています。

メッシュタイプの「一般網」は、網目が細かく、水切れがよいのが特徴。野菜の水切り、米研ぎ、うらごしなどに広く使われ、網目の細かさは使用する食材に適したおおきさでつくられています。

ステンレス製の金属を平織りに編んだメッシュ状の金あみは、網の目の大きさをメッシュという単位で見分けます。

1インチ(2.54cm)の間にマスの数(メッシュ)がいくつあるかを表し、数字は大きいほど細目になり、小さければ粗目になるのです。

また、1インチの中にあみの線材の太さも含まれるので、目の細かさに合わせて線材も細くなります。

8メッシュ以下は粗目。一般的な標準サイズは12メッシュ。食材も網目に詰まらず、水切れがいい16メッシュ。30メッシュなら、茶こしの目くらいの細かさで、裏ごしするのに便利です。メッシュの幅を知ることで、用途に合った選び方ができそう。

▲「スタッキングザル」は野菜の水切れが良い14メッシュを使用。
▲細かい網目の30メッシュは「うらごし・粉ふるい」に。

ファインメッシュ網

大きな網目は水も油もしっかり切れる

見た目は、ざっくりと編まれた大きな網目。あみの強度と水切れのよさ、このふたつの要素を持つのが「ファインメッシュ網」。

網の目の縦線と横線の交点を溶接して、小さな正方形の網目を構成した溶接金網です。

網の目は大きく、ゆがみがなくしっかりとした安定感が特徴。 家事問屋では、しっかりとした、浅く、平たい形状をいかして、さまざまな「ファインメッシュ網」を使用した『あみとザル』があります。

浅く、広く、グローブ型にすることで、鍋底にフィットする形状にしたり、フライパンにぴったり収まるようにしたり、使いやすい工夫が施されています。

また、網目がずれず、スッキリ隅まで洗い落すことがき、お手入れが楽なところも魅力のひとつです。

▲「蒸しかご」は水切れがよく、食材の下に水が溜まらずおいしく蒸しあがります。
▲持ち手があり、しっかりなべ底をすくうことのできる「油きりザル」

バット網

サイズと曲げ、加工の自由度と頑丈さ

料理の下ごしらえ、保存に欠かせない道具のひとつにバットがあります。家事問屋ではサイズの違うシステムバットが4種類。

このシステムバットをもっと活用するために生まれたのが「バットあみ」です。

この「バットあみ」。他のあみと製造方法が異なり、ワイヤーを組み合わせることで、さまざまなサイズにしたり、曲げて足をつけたり、自由度が高く一からつくることができるのが特徴。しかも、丈夫でお手入れもしやすい。

システムバットに併せて使えば、揚げ物の油きりや茹で野菜の粗熱とりに。「バットあみ」そのままでも、お菓子やケーキクーラーとしても使えます。

使う用途によって、組み合わせは自由に使え、料理の快適さも高まりますね。


▲油きりや食材の解凍など、幅広い用途に使える「バットあみ」

パンチング網

目詰まりしにくく耐久性と洗いやすさ

『あみとザル』の種類には、ステンレスの板にたくさん穴をあけたパンチングタイプの「パンチング網」があります。

「パンチング網」の特徴は、細かい穴でも、目詰まりしにくく、耐久性があり、しかも洗いやすいところ。

パンチ穴の大きさは「Φ(パイ)」という単位で区別され、1Φは1mmと同じ大きさで、数が小さいほど穴は小さくなります。

細かく小さな穴のタイプは、鍋や煮物のあくとりやお味噌汁の味噌こしに。パンチング穴の表面にほどよく水分が保たれるので、スライスした玉ねぎやわかめのようなうすい食材の水切りも、さっと集められて使い勝手がいいのです。

また、メッシュタイプのように使っているうちにあみがほつれ、たわむ心配もなく、表面が平らな分、金属性の道具と一緒に使っても痛むことなく耐久性に優れています。

メッシュタイプとパンチングタイプ。食材によって使い分けてみてはいかがでしょう。

▲「パンチング味噌こし」は、味噌が網目にからまずきれいに溶かせます。
▲目詰まりしにくく一度ですくえる安心感のあるサイズ「パンチングすくいザル」

特殊網・たたみ織り

細かくたたみのような極細の網目

メッシュタイプの『あみとザル』には、網目のサイズだけでなく織り方もさまざま。織り方の違う『あみとザル』を使うことで、道具の使いやすさだったり、こだわりだったり、道具とのフィット感も違うもの。

ここからは、家事問屋の『あみとザル』の中でも特殊な加工を施した「特殊網」の種類についてお話したいと思います。

まずは、「特殊網・たたみ織り」。たたみ織りは、極細の横線を畳の目のように編み込み、透かして見ても向こう側が見えないほどの細かい織り方が特徴。

家事問屋では「だしとりあみ」に使用され、細かな200メッシュのたたみ織りは、表面のステンレスの光沢が際立つほど。

こちらの「だしとりあみ」。より澄んだ本格的な出汁にこだわりたい方におすすめ。鰹節、煮干しなどの出汁を濾したときに残る余計な粉を通さず、澄んだ黄金色の出汁をとることができる優れものです。

▲細かな粉も通さない「だしとりあみ」。出汁のおいしさが際立ちます。

特殊網・綾織り

立体感ある網目は、水切れと強度のよさ

「特殊網」のふたつ目が「特殊網・綾織り」です。

綾織りは、縦線横線が互いに2本ずつ乗り越して上下に交差させ、立体感のある織り方。平織りでは使用できない太い線材を用いることができ、強度にも優れ、また、水切れのよさも秀逸です。

家事問屋の「だし・スープこし 綾織り」は目の細かい30メッシュ。綾織りの水切れのよさをいかし、出汁だけでなくスープを濾すとき、プリン作りのときにも幅広く使えます。

また、円錐型になっているので、たまごを濾すときに混ざりきらなかった白身を取り除き、卵液だけがすっと落ちて、口当たりのよい食感に仕上がります。

家事問屋の出汁をこす道具は「だしとりあみ」と「だし・スープこし 綾織り」の2種類。用途に合わせて選んでみてはいかがでしょう。

▲「だし・スープこし 綾織り」は、ヘラが使えるように円錐のてっぺんが平らな形になっています。

特殊網・二重メッシュ

網目の違う二枚のメッシュづかい

「特殊網」の三つ目。「特殊網・二重メッシュ」は、お茶をおいしく濾す道具「深型茶こし」に使用されています。

内側は目の細かい40メッシュ。外側は目を粗く編んだ18メッシュ。網目の違うメッシュを重ねることで、広がった茶葉をしっかり濾し、対流を妨げずしっかり膨らませながら抽出できるのです。

外側の目を粗くしていることで通水性をよくし、さらに細かい茶葉も流出せず、目詰まりしにくいのも特徴。

また、網は丈夫で固いのでゴシゴシと洗っても潰れたり、変形しないのもポイント。おいしいお茶を気軽に飲みたいとき。急須なしでもティーポットやマグカップにも使えるところもうれしいですね。

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